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DANCE WITH THE DEVIL 悪魔と踊れ

Dancewiththedevil

スタンリー・ブース著。
ローリング・ストーンズ物語。

この伝記本はゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!の解説本で、
初めて知って取り寄せたのだが…。
すごかった…。
手にはいるストーンズ伝記本は(広辞苑並みに分厚い1冊をのぞいて)
ほとんど読んだつもりでいたのに、こんな本がまだあったなんて。

映画「ギミー・シェルター」
映画「コックサッカー・ブルース」
最近出た「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト! 」のおまけDVD

上の3作を観た後なら、そのすごさがもっとわかる。
これらは70年代前後の一番豪華な時代に撮られたが、
この本には見覚えのある映像のシーンがいくつも出てくるのだ。
映像だけではわからなかった空気感や、
その前後の会話なども読むことができて、映像とあわせると
当時のアレコレがよーくわかる。

当時のストーンズには、得体の知れない人間が
ぞろぞろくっついていた。
映画監督や、ジャーナリスト、カメラマン、
そして、麻薬の売人や、メンバーに気に入られたグルーピーなど。
この本の作者は、この得体の知れない人間たちの1人だった。
ストーンズと共に、ツアーをまわり、ドラッグをやり、
裏の裏まで知り尽くしている人物なのだ。
だから、伝記本というと、とかく、
外からみたストーンズしか語られないが、
この本からは本当のストーンズの様子が伝わってくる。
オルタモントの悲劇(ストーンズコンサート中に起こった殺人事件)
前後の様子は克明に知ることができる。

特にミックファンなら必読でしょう。
ブースはミックと特に親しかったらしく、
ミックとのエピソードは多い。
キースが芸術家らしい名言を連発する一方で、
ミックといえばマスコミ向けの取り繕われた「お言葉」ばかりだが、
この本には、ミックが友達内でしか言わないようなことも書いてある。
ドキュメンタリー映像に使われているシーンの描写の正確さから推測しても、
ブースの描写力は正確だと思われるので、
本書の会話は脚色、創作なしのホンモノだろう。

将来は旅をしていろんな国に住みたい、とか。
俺たちはもうトシだよ。
ビル(ワイマン)なんかもう33だよ!とか。
誰かに「臭い!」と言われて「すまん、俺の足だ」とか。
昨日(飛行機の調子があやしかったから乗るのをやめた)
リトル・リチャードが俺を守るためによこした天使のことを忘れていたよ。
覚えてたら(飛行機が)大丈夫だってわかってたのに。
などなど…。
「お言葉」などではないホンモノの会話が、私としてはうれしい。

特におもしろかったエピソードはコレ。
マディソン・スクエア・ガーデンでのライブ直前。
赤いセーターに緑のズボンをはいたミックは、
ベッドに寝転がって天井を見つめて
「俺は着がえないぜ。このままで出る。」
サム(おそらくメイクさん)が優しく言う。
「着がえるんだよ。」
「いやだね。」とミック。
「わかってるんだよな。出番の5分前になったら
 そうだ着替えようって思うんだだよな。」
「思わないよ。」とミック。
その後5分もしないうちにミックは起き上がって
バスルームからライブ用の衣装に着替えて出てきた。

本書は、主観があまりでてこなくて、事実を羅列してあるので、
ストーンズのもつ空気感が最もよく表現されている伝記本だ。
音楽が好きで好きでたまらなくて、
なんとなくセッションがはじまってゆくけだるい空気や、
それぞれのパーソナリティのもつオーラまでが伝わってくる。
ワイマンとは親しくなかったのかあまり語られないが、
チャーリーの優しさがどういう優しさなのか会話から伝わるし、
キースの独特のフレンドリーさ(ドラッグを分かち合う精神)もよく伝わるし、
ミックの快活さや不安も伝わってくる。
この伝記本ならミックもキースもチャーリーも喜んだに違いないと思う。
だからこそ、ブースは中核に食い込んだ取材ができたのだろう。

数ある伝記本の中には、他のストーンズの取り巻きの書いた本、
トニー・サンチェスの「夜をぶっとばせ!」があるが、
こちらも小説としておすすめではあるが、
こちらは、極端な主観がはいりすぎているので、
もやもやとフラストレーションがたまった本だった。
「悪魔と踊れ」で、やっと満足のいく伝記本に出会ったように思う。

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