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2009年7月

マイ・ドリームス/マリアンヌ・フェイスフル

Marianne_dreaming
Dreaming My Dreams/Marianne Faithfull

ミック・ジャガーを教育し、多大な影響を与えたと言われる
マリアンヌ・フェイスフルのドキュメンタリー。
2000年発売。

大好きなのです、マリアンヌのこと。
余談ですが、かわいいのにボインです。
大好きだけど、同時に、私にとっての
世界三大ガッカリのひとつも、マリアンヌ。
どうしてこんなドスの利いたダミ声になってしまったの!
人ってここまで変わっちゃうの?
昔は美しくて天使のような歌声を持っていたのに。
がっかり、がっかり、がっかりの三乗だ。

マリアンヌは修道院で育った。
美しい容姿に美しい声はまさに天使そのもの。
しかしこの天使は、悪魔と呼ばれた男のオンナになるのです。
ミック・ジャガー、ひとめ見ただけで妊娠すると言われた男!
これ以上に魅力的で想像をかきたてるカップルはあっただろうか!
まさに世紀のロマンスだ。

実は彼女、マゾッホの血をひく貴族の出で、
貴族の教養だけではなく、背徳的なDNAも受け継いだようである。
ストーンズの取り巻き連中の中で悪癖に染まり、
自殺未遂、ヘロイン中毒、果ては文無しのホームレス。
それには何か、血の呪いのようなものを感じる。
修道院育ちの美しい背徳者。
「彼女自身が芸術作品だ」という言葉が中に出てくるが、
まさにその通りだと思った。

As Tears Go Byでデビューした頃は、本当に愛らしかった。
この曲はミック&キースがほぼはじめて作曲したに等しい曲で、
のちにストーンズのレパートリーとなる。
64年にアイドル歌手としてデビューし、
66年にロック・スターの恋人になり、
67年に彼女のイメージは衝撃的な形で崩壊する。
キースの家のLSDパーティに、警察の捜査がはいり、
風呂あがりで裸だったマリアンヌは、様々な卑猥な憶測を呼んでしまう。
世間からは「天使」から一転して「娼婦」と呼ばれるように。
一層ドラッグに溺れ、それに辟易したミックとも破局する。

このDVDは、本人へのインタビューや(まだまだお美しい)
元夫へのインタビュー、キースとキースの元恋人アニタも少し出演し、
彼女を回想する。(あの美しかったアニタは変わり果てた姿で!)
それは酒と薬の依存症人生で、あの時はひどい時だった…
あの時も、あの時もと、何度もマリアンヌが言ったのが印象的だった。

ー暗い歌は私の得意分野なの(マリアンヌ・フェイスフル)

確かに、彼女が歌う暗い歌はリアリティが半端ない。
彼女は今もなお、歌手、女優として現役である。
だみ声も、この重い過去があってこそズシーンと響くのだ。
特にVagabond Waysという曲なんかは、なかなかズシーンだ。

ーVagabond Waysより
ドクター、ねぇ、ドクター
あたしってさ、酒飲みで薬やるし、セックス大好きなの。
あちこち放浪して、14で子供産んだわ。
これってまさにVagabond人生じゃない?
(かなりの意訳ですが)

マリアンヌの歌に共感し、住み込みで彼女の世話をしていた女性が、
最後に彼女の印象をこう語る。

「ひょうきんで痛々しくて子供っぽくてわがままで悲しい人。
 でも美しい人。マリアンヌの話はもう二度としたくない。」

これが一番、彼女を言い当てているような気がした。
依存症のマリアンヌ相手に相当苦労したんだろうな。

最近、マリアンヌが、自身の生涯を映画にする契約に
サインした、というニュースを読んだ。
実現したら、とても楽しみだ。

ドラッグ使用前のAs Tears Go By↓

使用後↓

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HAPPY BIRTHDAY Sir.MICK JAGGER!!

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7/26のローリング・ストーンズ祭詳細はこちらクリック

当日思い立って突然参加したので、
ギター・ピックが当たる抽選には参加できなかったけど、
私にとって初のファンイベント。
こんな日本の片隅でサー・ジャガーの誕生日を祝おうなんて、
相当なマニアが集まるのだろうとわくわくして行った。

予想通り、会場は年齢層が高く落ち着いたムード。
遅咲きの私にとっても大丈夫な雰囲気。
私にすれば「すいません。遅くなりましたー!」
とでも言いたい気分。
これがローリング・ストーンズのファンの方々かぁ。
ベロ柄Tシャツを着ている人が多い。
こういう日のためのとっておきなのだろうか。
うーん、これこれ、これよ!
ファンイベントにきた、って感じする!

イベントはMike Koshitani氏とサエキけんぞう氏のトークからスタート。
最近発売されたばかりの過去のアルバムのリマスター盤を
会場のスピーカーで大音量で聞きつつ、
オリジナルとリマスターの比較トークをする。
ギターのエッジが立ったとか、位相がどうとか。
私はサウンドに、突っ込んだ関心はないので、
まだまた知らない曲がたくさんあるなぁ、と、ぼんやり考えたぐらい。
しかし会場からは「そうそう!」と声があがったり、
熱心にうなずいている人がたくさんいる。
そんなマニアっぽい反応を見ているほうが楽しかった。

トークを少し聞いた後、ライブになった。
わらわらと登場してきたバンドメンバーを見て、
私がどんなに満面の笑顔だったか!
ミックやキースみたいな格好をしているのに日本人顔。
そして、いかがわしい化粧。
まるで私の好きなフリークショウだ。
期待感が俄然盛り上がってきた!

曲はStart Me Upからはじまったのだが、
イントロのギターは、まさしく
映画「シャイン・ア・ライト」のStart Me Upと全く同じ音。
ライトが点灯して、いっきにテンションがあがる。

ルックスは70年代後半。サウンドは2000年代。
シワの多さ的には、ストーンズから引くところの20年ぐらい?
ボーカルの人はミックじゃがりこ(←名前がイカス)
ミックの仕草や口の動きなどを完璧にコピーしている。
これがいちいち笑えるのだけど、笑っていいものやら…。
こういうのって、そっくりさんとしておもしろく見ていいの?
笑うのは失礼かなと思いつつも、ウケながら観覧する私。

ワイマンの人はベースをワイマンみたいにちょっと縦に持っているし、
キースの人は、ギターがうまくて雰囲気がある。
ブライアンでミック・テイラーでロニーでもある人は、
もや〜っとしている。
そりゃ3人分を1人でやったらもや〜っとするだろう。
チャーリーの人は普通だった。

ストーンズの曲を生演奏で聞くのは、私にとっては初めての経験。
曲によって決まった振り付けがあるようで、会場は一斉に動く。
これにも感動しましたね。
もし、ストーンズが来日する日が今後あるのなら、私もマスターしなければ。
でも、う〜ん。
タイミングが難しい!

最後にキースの人がキースのようにピックを
ポイーンと会場に向かって投げたのだが、
争って拾う感じではなく「何か落としましたよ」的な
空気になっていたのが、これまたおもしろかった。

このバンドはベガーズといって、この後、ビートルズや
レインボウ、キッス、ザ・フーなどと共演する会場へ
これから移動するのだとかで、早々に引き上げていった。
なんて豪華なレジェンドメンツ!
本当にそんなことあったらすごいな!
カバーバンドの世界も奥が深そうだ。

個人的には、ストーンズ60年代限定のカバーバンドが見てみたい。
マラカスと寝ぐせ頭を激しく振って、
足を痙攣させるミックもどきが見てみたい。
そんな欲も出てきたりの、楽しいイベントでした。

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ミック・ジャガーの真実 その2

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「ミック・ジャガーの真実、それはホモセクシュアル」
…とでも言いたげな本書だが、それなりに目新しい話もあった。
それは、マイケル・ジャクソンとミック・ジャガーについて。

マイケル・ジャクソンは、彼のセクシュアリティについて、
世間にあれこれ言われることに、とても傷ついていたそうだ。
彼はなんと!ミックに憧れていたのだという。
マイケルの股間を押さえる有名なポーズは、
ミックの真似なのだ…と本書には書いてある。
(上の写真を比較すると、マイケルはカッコいいけど
 ミックのは単に股間がかゆかっただけなのでは?)

ミックが口紅をつけようがちゃらちゃらしようが、
結局はマッチョなロッカーとして見られることを、
マイケルは、うらやましく思っていたらしい。
ミックとマイケルのデュエット曲、State Of Shockは、
マイケル側からのオファーだった。
ミックもこの申し出には、まんざらでもなかったようだが、
出来上がった後は、両者とも不満たらたらだったらしい。
一体何があったのか!?

ミックの感想
「マイケルはめめしくて退屈。軽い。ビールの泡みたいだ。」
マイケルの感想
「オフキー(調子っぱずれ)にもほどがある。なんでこんな奴がスターになれたの?」

どっちの言い分もよぉくわかる。
マイケルの声は線が細いし、神経質な完璧主義者だろう。
ミックは押せ押せのシャウトでライブ感たっぷり。
オッケーラインの物差しが違ったんだろうな。
でもまぁ、ミックはこの曲のヒットに気をよくし、
「俺ってストーンズなしでもやってけるかも!」なんて思ったのだろう。
これ以降はソロ活動にのめりこんでゆく84年であった…。

しかし最近、この曲のマイケル&フレディ・マーキュリー(QUEEN)
のバージョンがあることを知った。
これは、ミックとやる前に録ったもののようだ。
フレディバージョンは、キーがやや低く、
ミックバージョンよりも、マイケルとのかけ合いが親密だ。
なぜフレディでリリースまでいかなかったかは定かではないが、
ミックの声を気に入らなくて録り直したのではないとのこと。
(ちょっとツマラナイ…?)

State Of Shock動画(静止画だけど最後にステキな2ショットが…)
5:21〜ミックが「見て見て!」ってセクシーボイス。
それに呼応するかのようなマイケルの吐息が、
2人の不満を象徴しているような感じ!?

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ミック・ジャガーの真実 その1

Jaggerstrue_2

Jagger Unautborized/Christopher Andersen

93年発行の本書は、発売済の伝記本をまとめたような本。
情報としては、知っていることが大半だった。
でも、数ある伝記本の中で、この本にはひとつだけ大きな個性がある。
それは、ミックがホモセクシュアルである、
という疑いを持って、全体を書き上げているところだ。

というわけで、出るわ出るわホモネタ!
著者はどんな小さな可能性も見逃さない。
大きく広げて、ひょっとして?と思わせるタッチで書く。
私はこういうの大好きだから、大いに楽しめました。
ストーンズファンで、かつ、ボイーズラブ好きな人にはおすすめかも。

ミックとキースとブライアンは、
貧乏な頃の共同生活で、同じベットに寝ていた。
男だらけの生活の中、ミックが化粧をしたり、
シナをつくって歩いたりするので、
キースとブライアンは自らの性に疑問を抱くようになったという。
また、キースと仲が良すぎるブライアンに嫉妬したミックは、
ブライアンにいじわるをするため、彼女を寝取り、
さらにブライアンをも誘惑し、短い肉体関係をもった…。

はぁー?って感じなんですけど、
なんかもう…爆笑ものです。
しかしこれはほんの序の口。
以下、それ系のネタ。

・アンドリュー・オールダム(マネージャー)の彼女は、
 ミックとアンドリューの仲を疑っていた。
・ミック・テイラーは、ミック・ジャガーと裸で
 ベットにいるところを目撃されている。
・デビット・ボウイとミックは、朝食を持ってきたボウイの妻に、
 裸でベットにいるところを目撃されている。
・実際にミックと寝たロン・ウッドの友人(男)による
「兄貴のような感じでした」な暴露話。

個人的には是非とも、すべて事実であって欲しいと思うが、
私が一番ときめくのは、ミックとキースの関係だ。
いくらこの本でも、2人が肉体的にどうこうなったなどとは、
書いていないけど、精神的なつながりについては、
ことあるごとに触れられている。

何をするにもキースの了解をとるミック。
逆に「俺たちは、ボーカルをかっこ良く見せるのが仕事だ」
と、常にミックをたてるキース。
でも、公の場で2人がいちゃいちゃすることはない。
それが私には気になる点のひとつだ。
ミックは、ロニーをライブ中にぺろっと舐めたりするし、
チャーリーのことですら、MCの時にからかうのに、
キースに絡んだところだけは今んとこ見たことがない。
わざと距離を置いている感じというか、
そんなプラトニックなところに、
やけにときめきを感じるのですが…これは腐女子目線か、失礼!
ひとつ言えることは、私は、ストーンズの中では
ミックがお気に入りだけど、ミック&キースの集合体は
もうそれ以上。最強だということ。

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ラトルズ 4人もアイドル!

Rutles
THE RUTLES

偽ビートルズの偽ドキュメンタリー映画。
ビートルズのパロディ番組として、
TVで放送されていたものが映画化されたもの。
イギリスのお笑いグループ、
モンティ・パイソンの人が監督、出演している。

内容は、ビートルズに起こった出来事を、
おもしろおかしく、ラトルズで再現してゆくというもの。
モンティ・パイソン独特の空気で、細かいジョークとなると「?」だけど
知っていればあちこち笑えるところがある。
例えば、ポールが「いろんなドラッグをやってますがなにか?」的な
会見で問題になった例の件では、それがドラッグではなく
「お茶をいろいろやってます」になっていたり、
(ストーンズがお茶で捕まった、という新聞記事も出てくる)
ジョンとヨーコの例の平和を訴えるためのベッドイン記者会見は、
シャワーを浴びながらやるシャワーイン記者会見になっていたり…。

偽レノン役の人が劇中の音楽も作っているらしいが、
ビートルズの超有名曲をびみょ〜に変えているところがいい。
ボーカルのエフェクトまで同じにしてある懲りようで、
パロディとして作ったのでなければ、
普通にヒットチャートに登りそうなぐらい巧妙な出来。
ビートルズのPVを真似たラトルズのPVも、とても素晴らしい。

そしてこの映画には、なんと!
ミック・ジャガーが本人役で出演してるんですよねー。
「ラトルズがお揃いのコートを着てライブを観にきたよ。」
等々、ラトルズについてのインタビューを受けているという設定。
何かと「ではこの件について、ミック・ジャガーにも聞いてみましょう」と
何度もインタビュー映像にいく感じなので、ちょっとうれしい。

ただ、そこはパロディなので、ミックは若干、事実と違うことを言う。
例えば、ストーンズは昔、ジョン&ポールに曲をもらったことがある。
まだオリジナル曲を作ったことがなかったミック&キースは、
ジョン&ポールのチームワークに、痛く感銘をうけ、
その曲、"I wanna be your man"をありがたくいただき、
ストーンズのシングルとして売りだしたという事実がある。
でもこの映画ではこうなっている。
ラトルズに曲をもらったことがあるけど、
使い物にならなかったので俺たちの曲としては使わなかったよ。と。
ストーンズファンならここはちょっと笑えるかも。

またこの映画には、若かりし頃のロン・ウッドが、
ストーンズと因縁の深い暴走族、ヘルズエンジェルスの格好で出てくる。
そして驚きなのが、ミックの最初の妻、
ビアンカ・ジャガーが、偽ポールの花嫁役として登場する。
この映画の公開が78年で、ビアンカとミックが破局するのは79年なので、
この撮影の頃は仮面夫婦だった時期か?
などと考えるとちょっとおもしろい。

ロックンローラーの妻、と呼ばれるのを嫌がり、注目を浴びるのが大好きで、
ミックを泣かせることができる、唯一の女だったという話をよく読むが、
これに出てくるビアンカはまさに、さもありなん!といった様子。
シャンパンボトルのらっぱ飲みとかしてるんで、
ほんのちょっとしか出てこないのに、やけに豪傑な印象。

↓ビートルズのHELP!の替え歌OUCH!(いてっ!いてっ!と連呼する)

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俺と仲間 ロン・ウッド自伝

Ronny

Ronnie 俺と仲間。
先日発売されたばかりのロン・ウッド自伝は
私が読んだストーンズの読み物の中でも
1位2位を争うおもしろさだった。

ロニーの魅力はその人柄なのだろう。
彼のまわりには、才能ある有名人が
ごきぶりホイホイのように集まってくる。

ジミ・ヘンとルームシェアしてたり、
ボブ・ディランがふらっと遊びにきたり、
ジョン・ベルーシが人生相談に来たり…
ストーンズがロニーの潤沢な友人関係からの
恩恵を受けていることは間違いない。
ストーンズの対人関係担当、といったところだろう。

ミック・テイラーが抜けた後、
彼がストーンズに雇われたのも、
決してギターがうまかったのではなく、
メンバーとの馴染みが良くて、
ストーンズと生活を共にできそうだから、
という理由で、なんとなーくメンバーにおさまったようだ。
今じゃ、ロニー無しのストーンズなんて考えられないぐらい
なくてはならない人物だ。

この本は、仲間とのエピソード集のようなもので、
特に爆笑ものなのは、ドラッグ関係のエピソード。
ロニーは長年、酒と薬の依存症で、
更正施設には何度も通った筋金入りだ。
ジャンキーの日常は漫画だ。
特にロニーの語るキース伝説は
ほんとかよ?なことばかり。

昔のロニーはバスルームでラリってしまうと
何日も出てこなかったそうだ。
キースが大便をして出て行っても全く気づかない。
チャーリーはよく、バスルームに何時間も座って
ロニーを見物していったという。
キースとけんかになった話は最高におもしろかった。
興味のある方は是非ご自分で!

ロニーはストーンズがビックになってから加入したので、
庶民の目線で、ストーンズの贅沢な生活を語る。
ロニーだって、フェイセスにいた頃は、
ロッド・スチュワートと、相当ご機嫌な生活をしていたのだ。
ファンの子たちとのお医者さんごっこ(もちろん婦人科)や、
(女の子が)裸の水泳パーティをやってきたはずなのに、
ストーンズのツアーに初めて参加した時には、
そのレベルの違いに驚愕している。

まず、プライベートジェットがあること、
その中を裸の女の子が走り回っていること、
処方箋がかける奴や、売人がぞろぞろついてくること。
いつも一番いいブツが山盛りに供給されること。
スタッフが大勢いて(スタッフ間の会報まであるらしい)
スケジュールや機材が細かく管理されていること等々。
これぞ、SEX&DRUG&ROCK'n ROLL!!

本書より
ーフェイセスのときに耐えなければならなかったホームシック
〜中略〜ストーンズではそれを感じなかった。
なぜだろうと思ったが、キースはこう説明した。
「なぜなら、今のおまえはちゃんとした
ロックンロール・バンドにいるからさ」

今じゃ、おとぎ話でしか読めないような生活を
ストーンズは、実際にやってきた生き証人であり、
ファンタジーの世界と、つまんない日常を
結びつけてくれる存在なんだって思う。
だからみんなロックンロールに夢中になるんだろうな。
曲を聞くと、バックグラウンドが感じられるから。
つまり、ストーンズがロックなら、
この騒々しい生きざま無しには、ロックは存在しないってことだ。
今、本当にロックしてる人は何人いる?

この本には、愛妻ジョーや家族への感謝が繰り返し出てくるので、
その度に気持ちが暖かくなったものだけど、
今現在のロニーはそれらすべてを捨て、
20歳のロシア人ウェイトレスと交際中。
これはこれで、ロックではないか!
是非、そのまま突っ走って欲しいものだ。

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シャイン・ア・ライト その2

Shinealight

私にとって記念碑的映画なので、
シャイン・ア・ライトのレビューpart2いきます。

今回は、特典DVDを観て思ったこと。
特典にはストーンズからのメッセージや
記者会見の様子、インタビュー等がたっぷり収録されている。

注目すべきはドラムのチャーリー・ワッツ。
メンバーが揃った公式の場では全く話さない謎の人物。
しゃべらないことが笑いを誘う、ストーンズのオチ担当。

この映画の記者発表の場でも、
「チャーリーは何かありますか?」と聞くと
「ないね」とひとこと。
このパターンはお約束らしく、メンバーは爆笑。
会場からも笑いがおこる。

でも1人の時にマイクを向けるとポツポツと語りだす。
これが、実に鋭い!
いちいち鋭い!
なんでも、プリンスがまだブレイクしていない頃に
ストーンズに彼を紹介したのはチャーリーだったというし、
シャイン・ア・ライトのゲスト、
ジャック・ホワイトや、クリスティーナ・アギレラも
チャーリーの推薦だったという。
チャーリーが、こいつは要チェック!といったら、
メンバーは絶対チェックするらしい。
それほど一目を置かれているそうだ。
特典インタビューで語る、チャーリーの日本人観や
ロックと英語についての話は特に鋭いと思った。

そして、特典DVDからもうひとつの発見。
私がストーンズを知らない状態で初めてみた時に感じた
「なんでこいつらこんなにふてぶてしいの?」
は、いろいろ事情があったということが、
監督のインタビューで判明した。

監督は、過去、記者達が彼らに、
いかにくだらない質問をしてきたか、
いかに同じ質問ばかり繰り返してきたかも
浮き彫りにしたかったようだ。
くだらない質問へのストーンズの対応には、
独特のユーモアがある。

記者の質問に「さぁね」と無愛想に答えるチャーリー。
記者の質問の最中にタバコの煙で遊ぶミックとか。
ストーンしてる(ドラッグでラリってる状態)
としか思えない態度をとるキースとか。
これは、ストーンズのパブリックイメージ作りでもあったのだろう。
みんなが、ストーンズはこうあって欲しい!
と願う、そのまんまをやってくれているのだ。
ふてぶてしいようでいて、
彼らは実にサービス精神にあふれているのだ。

皮肉なことに、この特典DVD内でも記者達は、
同じ質問を繰り返すし、中にはバカな質問もある。
今も昔も記者達は全く変わっていない。
その一方で、大人になったストーンズは、
根気強く、カンペでも見ているかのように、
何度も何度も同じ答えを繰り返してくれる。
あぁ、大人になったんだなぁ、とさみしく思うのは私だけ?
60を越えたおやじ達に「大人になった」は変だけど…。

youtubeで見つけた記者のバカな質問例
「女の子みたいに髪が長いけど」に対して、おかま声でわめくミック
「あなたが角刈りにすることに反対する人がいると思う?」「俺がする」

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シャイン・ア・ライト その1

Shinealight
SHINE A LIGHT.
私がストーンズを発見したのは、昨年末に観たこの映画だ。
それがついにDVDになった。
私にとっては、記念すべき映画で、感慨深い。
末端ではあるけれど、音楽業界にいる私が、
ストーンズ無しの健全な人生を、
これほど長く送ってこられたことは奇跡に近い。

この映画を観ようと思った理由は、
単にレディースデーに観るものがなかったから、
というだけのことだった。
その日は何でもいいから映画が観たかったのだ。
本当にただそれだけの理由だった。
それが、こんなにもはまってしまうとは…。

といっても、この映画で得たのはきっかけのみだった。
初回の鑑賞では、ライブ映像部分は、
曲をほとんど知らない私にはかなりきつかった。
ミック・ジャガーぐらいは知っていたけど、
キースってだれ?っていう状態だったのだ。
キースが歌いはじめた時には、トイレに立ったほどだ。
でもそれを補ってあまりあるほどの、過去の映像のインパクト!
ほんの数カットしかないのに、私の好奇心を異常に刺激してきた。
え?牢屋にいれられた?
え?ドラッグやった?
このふてぶてしい態度はどういうこと?
この人たち、一体何者?

家に帰って、Youtubeで過去のストーンズの動画を検索。
ここでも、まだ、並の好奇心しかなかった。
その後、正月に退屈だったからたまたま買った
ロックンロール・サーカス(DVD)で、ついにアウト!
はまった。
そして今、ここにいる。
たった半年で、随分遠くまできてしまった。(遠い目)

その後、この映画をさらに2度、観にいった。
2度目に行った時には、ほとんどの曲を覚えていたので、
音の迫力に酔い、ミックのパワーに圧倒された。
3度目は、本やDVDで知識を仕入れ、物知りになってから観た。
その時初めてステージ上の細かい出来事が気になった。
3度目観賞後、やっとパンフが手にはいったのだが、
私が気になった細かいところ、すなわち、
ステージ上でのメンバーの親密なやりとりこそ、
マーティン・スコセッシ監督が、
最も魅せたかったのだ、ということが判明した。
私は3度目にしてやっとスタートラインに並んだらしい。

先日発売されたばかりのロニーの自伝本に、
「親密なやりとり」のことが書いてあった。
ロニーは、後期にストーンズメンバーになったギタリストだが、
ストーンズの一員になるためには、
ストーンズだけの話し方を学ばなければならなかった、という。

それは…

ーたくさんのアイ・コンタクト、合図を送る、
言葉を使わないコミュニケーション
(俺と仲間[ロン・ウッド自伝]より)

ーもしテンポが少しのろくても、俺だけでは変えることはできなかった。
いつだってすべては重役陣の許可が必要なのだ。
そこでキースの方をある顔つきで見ると、彼はすぐさま
俺の考えていることを知り、2人でチャーリーを見れば、彼はわかる。
そして俺たちはみんなでちょっぴりエンジンのクランクを回すのだ。
(俺と仲間[ロン・ウッド自伝]より)

この映画では、ストーンズだけのコミュニケーションを
余すことなく堪能できます。

余談ですが、映画内の昔の映像で、
私の心に残ったシーンのひとつ。
初USツアーの時の記者会見。
どうしてこんなに人気が出たんでしょうね?
という質問に、ミックがシャイな笑顔で答える一方で、
チャーリーが「さぁね」と身も蓋もない答え方をする。

動画はこちらをクリック(1:25〜1:35)

チャーリーって、オチなんだよね。いつも。
シャイン・ア・ライトの中でも、
チャーリーが「どうも!」って言うと
「彼がしゃべった!」と、
ミックに大げさに言われるシーンがあって笑える。

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