それ以外

・STONES以外のARTISTのレビュー

ROCKER 40歳のロック☆デビュー

Rockers

2008年の映画。
TSUTAYA独占レンタル

ロックバンド「ヴェスヴィオス」は、ドラマーの
フィッシュが中心となって作ったバンドだったが、
デビュー寸前、フィッシュ自身がクビを切られてしまう。
ーいつかオマエらを見返してやる!
それから20年後。
フィッシュは40を越えたが、会社で働く毎日。
一方、ヴェスヴィオスは大御所メタルバンドに成長。
それが気に入らないフィッシュはクサクサした日々を送っていたが、
それが発端で仕事をクビになり、姉の家にころがりこむ。
姉の息子(デブの高校生)は、
プロムバンドのヘルプをフィッシュに頼む。
プロムでドラムを叩き、フィッシュは忘れていた夢を思い出す。
そして、ここに、中年男のドラマーがいる以外は、
ナイーブなポップスをウリにした高校生バンドが誕生する。
メンバーはボーカル(内気なやさ男風)ベース(パンク少女)、
キーボード(でぶの甥ッ子)そして中年ドラマー、フィッシュ。

youtubeでアクセスが増え、レコード会社の目にとまり、
myspaceでファンを増やす、という、
今時の展開からはじまるこの物語なのだが、
これは、40歳の中年男が憧れる、
SEX&DRUG&ROCK'N ROLLの男臭い夢と、
今時の若者の実情とのギャップがポイントだと思う。

メンバーの若者3人は、ツアーに出ても、
ホテルの部屋で、ケータイをいじったり、
PS3で遊んでいるほうが好き。
一方、40歳の脂ぎったおやじドラマーは、
女をはべらせ、派手な羽織を着て、
ぶよぶよした腹を惜しげもなくみせ、毎夜、飲み歩く。
若者3人に、ロックとはこういうものだ!と教えるため、
ホテルで暴れ、ホテルのテレビを窓から落とし、
(ストーンズの真似)しまいには全員逮捕。

逮捕すら40歳のおやじにとっては、ロックンローラーの証。
釈放されると、ファンがだしてくれたのだと思い込み、
ロックの魔法だ!と大はしゃぎ。(これもストーンズのエピソード)
実際は、カンカンの親達がツアー先までやってきて保釈金を払いにきた。
ツアーはもう許しません!のすったもんだの挙げ句、
結局は、親同伴でツアーへ。
最終的には、自分のバンドを奪った憎き昔の仲間、
ヴェスヴィオスの前座をやる羽目になり…。
という物語。

ビックになったヴェスヴィオスはいかにも!な感じのビジュアルで
それだけで笑えるんだけど、プロフィールをイギリス出身と偽り、
わざわざイギリス訛りで話すところにウケた。
ロックはUKが本流という幻想があるのか?

この物語、特典映像で知ったのだが、
実在するビートルズのドラマーが元になっているという。
ピート・ベストは、ビートルズがブレイクする寸前に
クビになったドラマーで、音楽をやめて公務員として暮らした。
今は引退しているが、この映画に本人役でカメオ出演している。
特典映像では、自らの人生とフィッシュの人生を重ねて語っている。
自分には、長年連れ添った妻と子供や孫がいてとても幸せだ。
もしかして、ビートルズの中で一番幸せなのは、僕かも知れない。と。
そこが一番ジーンときたかな。
どんな人生を送っても、自分の人生を後悔したい人はいないのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ウォーク・ハード ロックへの階段

Walkhard

2007年の映画。

デューイ・コックスは、幼少時、
天才ピアニストで誰からも愛されていた兄を
誤ってまっぷたつにしてしまう。
父親にはっきり「間違った子が死んだ!」と言われ、
そのことがトラウマになってしまう。
兄が死ぬ直前(まっぷたつにされたのにしばらく生きていた)
オマエは自分の夢をかなえろ、と言ってくれたことを励みに、
ミュージシャンとなる。
彼はその後、ロックンロールな人生を送り、
老いて名誉あるステージに立つ。
一見、真面目なのかと思いきや、オバカコメディ。

この映画では、ロックな人生のエッセンスが、
漫画ように表現されていて、実在のミュージシャンの
パロディもふんだんにはいっているので、
知っている人には笑える内容だ。

14歳で高校の体育館をプレスリー風ロックで、
大興奮の渦に巻き込み、PTAや牧師に
「ロックは悪魔の音楽だ!」と迫害され、家をでる。
60年代には、ボブ・ディランに似た感じになり、
あいつのほうが真似してるんだ、と言い、
「あなたが作っているのはプロテストソングですか?」
という記者会見もあって(ボブ・ディランのパロディ)
ビートルズとともにインドへ出かけてマハリシっぽい人に傾倒。
音楽性がサイケになってファンを失い、
スランプがあって、70年代ディスコブームには、
自分の名前が冠になった歌番組をもつものの、
(マーク・ボランのパロディ)コントをやらされたり、
レオタード姿のダンサーと踊ったり、と本来の目的を見失ってゆく…。
その間、もちろんセックス&ドラッグやりまくり。
妻一筋から、バック・シンガーとのプラトニックラブの末の重婚。
そして、妻との離婚。それがばれて、新しい恋もアウト。
ドラッグはマリファナ→コカイン→ヘロイン→LSD、
と、少しずつ段階をあげてゆく。

映画は、老いた主人公が、出番前の楽屋で、
今までの人生を回想するようにはじまるのだが、
最後、同じシーンに戻ってきた時、
主人公がなぜ、出番です、と言われているのに、
しばらく思いにひたっていたかったのか、納得がいくのだ。
観客も波瀾万丈すぎる彼のロック人生を見てきたから。
その瞬間は、少しジーンとさせられた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ロック・スター/マーク・ウォールバーグ主演

Rockstar

2001年の映画。
80年代のロックシーンがよくわかる映画。
ロックといってもこれはBON JOVIなどのハードロックのほう。

主人公はある有名バンドの大ファンで、
そのバンドの完コピを目指すコピーバンドを結成している。
ちなみに主人公はボーカル。
あまりの完璧主義っぷりに反感をもったバンド仲間は
ついに彼をバンドからはずす。
これからはオリジナルをやる、という。
失意の主人公に、憧れのバンドメンバーからオファーが。
オーディションの末、そのバンドの新ボーカルに抜擢される。
単なる熱狂的ロックファンが、そのバンドにはいれるなんて!
なんという夢物語!
彼を待っていたのは、めくるめくロック・スターの生活だった…。
というお話。

この映画を作った人は、ロック・スターの生活を
ストーンズからかなり拝借している、とミタ!
または多くのロック・スターが
ストーンズ的生活を送っていたと見るべきかもしれないが、
ストーンズはその(悪しき?)手本にはなっているのだろう。

まずは、キースがホテルのベランダから、
備え付けのテレビを階下に落として大笑いするご乱行。
これが再現されていた。
これはもうスターのアイコン行為として認識されているのだろう。
ホテルの備品にいたずらして帰るのも
(映画では、家具が全部天井にくっつけてあった)
ストーンズ一行がよくやった遊びと聞く。
そのせいで、出入り禁止のホテルがいくつかあったのは事実。
それから、キースはワールドツアーの前に、
ドラッグで汚染された血液を新鮮な血液と総入れ替えしてからでかける、
という伝説があったが、それを表現したかったのだろう。
バンドメンバーのひとりが、血をいれかえてるシーンがあって笑えた。
占星術史などの得体の知れない人物たちが、
ぞろぞろツアーについてくるところなども、
ストーンズのツアーを彷彿とさせる。

主人公が、ロック・スター生活に慣れてきて、
曲を作るようになると、バンドメンバー達は、
途端に彼を煙たがる。
「おまえは歌だけ歌ってればいい」という。
こういうところまで、ストーンズを彷彿とさせる!
ミック&キースは、ロニーやワイマンが曲を作っても
あまりいい顔をしなかったし、みんなで作った曲でも、
著作権を渡さなかったりするらしい。
著作権がらみの恨みは、ミック&キース以外は、
みんなもっているようだ。
ミック&キースの専制統治に我慢できる人だけが
バンドに残ってゆくのだろう。

そんなわけで、私にはこの映画はとてもおもしろかった。
ロック・スター好きなら見て損はない映画。
この映画の主人公がどうなるかは、
是非自分の目で確かめて下さいね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パイレーツ・ロック

Prock_2

公開中の映画。
1966年、イギリスには国営のBBC以外放送局がなく、
BBCがロックをかけるのは1日たったの45分だけ。
そこで海の上に浮かぶ、海賊ラジオ局が乱立。
24時間ロックを流し続けた。
それを取り締まるお役所との攻防戦や、
船に閉じこもってロックを交代で流し続ける
DJ達の日常を描いた物語。

この監督は、間違いなく、ストーンズファンだね。
映画の一番いいところ、ここぞ!というところで、
Jumpin'Jack FlashとLet's spend the night together
が流れて、壮快だった。

みどころは…うーん。
ストーリーではこれといってないのだけど、
当時の音楽の有名どころが大体流れるみたいなので、
その辺が好きな方は、もうたまらないだろうということ。
あとは、当時のイギリス人がどうやってロックを聞いていたか、
っていうところが私にはおもしろかった。
子供は枕の下にラジオをかくして寝ながら聞いていたり、
仕事中に聞いていても上司がくるとラジオを消したり、
バーやクラブでは大っぴらに聞いていたようだけど、
聞くことはかなりうしろめたい行為だったらしい。
それがよくわかった。

イギリスでロックが国益にかかわるほど伸びたのは、
ビートルズやストーンズが出て来た最盛期に、
ロックを禁止されていたからに違いない。
禁止されたものは、どうやっても欲しくなるのが人間。
他国より余計、ロックにどん欲になったのだろう。
それで、いい音楽が生まれたのだ。
イギリスは今もミュージシャンが海外ツアーで
稼いでくるお金で潤っているらしい。
イギリスってのは変な国だ。

私は音楽の仕事をしているけど、
音楽の仕事なんて、昔でいったら、道化師の部類ですよ。
農民や兵士や町民と違って、エンタメをお届けする道化師は、
生活力がなくて、国が危機に陥ったら、
真っ先に職にあぶれそうな、ふわふわした職業だ。
そんなふわふわしたもので、国を豊かにしているイギリスって…。
なんか変だ。なんかすごい。

でもそんな職業を私は気に入っている。
不景気になると真っ先に仕事がなくなるけど…。

パイレーツ・ロック 公式サイト

| | コメント (0) | トラックバック (0)

マイケル・ジャクソン/THIS IS IT

This_is_it

マイケル・ジャクソン、最後のフィルムを鑑賞。

今年の私は、Music Legendブームで、
ストーンズを中心に数々のレジェンドフィルムを見てきた。
故人のフィルムも数々みたが、私が知る前に亡くなっているので
いまいち、惜しい人を亡くしたという実感がなかった。
そんな私も今年、スターの死の顛末を経験した。
それが、マイケルだ。
フィルムを見て、ただただ、もったいない、という気持ち。
もう映像に残されているマイケルの姿以外、
新しいマイケルは見れないんだという悲しい気持ちで、
いっぱいになってしまった。
これが本当の「惜しい人を亡くした」という感覚なのだろう。

50歳のマイケルがスクリーンで動いていたが、
全く年齢を感じさせないダンス、歌、容姿には脱帽だ。
特に歌は、ファルセット(裏声)の美しさに磨きがかかっている。
以前のマイケルにこんな声が出せたろうか?
声だけ聞くと、女性の裏声と錯覚するほど美しい。

私は、大御所スターというものは、音楽(とダンス)に集中し、
演出等は優秀なアドバイザーが手助けするのかと思っていたが、
マイケルに関しては、とんでもない大間違いだった。
マイケルは、オーディションで選ばれた選りすぐりのダンサーに
自ら振り付け指導をし、すべてのキュー出しのタイミングを決め、
音楽もキーボードの弾き方から指導するという、
素晴らしいリーダーシップぶりを発揮していた。
マイケルに弱々しくて謙虚なイメージを持っていたので、
その辺りは私にはとても意外だった。

この映画はリハーサルの様子や、スタッフのコメント、
本当はライブで流すはずだった映像、などをつぎはぎして作ってある。
リハーサルでも全く手を抜かず、ちゃんと自分の声で歌うし、
踊りもしっかりやっているからこそ、この映画が成立したのだろう。
そして、死を悼み、生前の彼を回想する湿っぽいドキュメンタリーではない。
コメントも、マイケルが生きていることを前提に撮影されたもののみなので、
ライブに向けてスタッフ達の士気が、どんなに高まっていたかがわかる。
それだけに、このライブが実現しなかったことは、
スタッフにとってもファンにとっても、そしてマイケルにとっても
残念という表現をもっと特上の言葉で言えないだろうか、と
じれったくなるほど、残念!である。
どれだけ豪華で特別で感動的なライブが用意されていたのか、
この映画で、知れば知るほど、残念!なのである。
だから、あまりにもマイケルを好きすぎる人にはおすすめできない。
海外では、ファンの間でTHIS IS ITのボイコット運動がおこっているらしい。
マイケルの死で金もうけをするな!ということなのだろうが、
別の意味で、熱狂的ファンは見ない方が良いかと。

映画を見てひとつ思ったこと。
マイケルはダンスもできるミュージシャンだが、
時々、ひょいひょいと宙をつまむ仕草をする。
空中にメロディが浮かんでいて、
それをつまみながら歌っているようにも見える。
彼の中では、メロディは宙に浮かんでいるものであり、
ダンスは、そのメロディを拾いにいったり、
なぎ払いにいったり、タッチしにいったりするための
必然的な動きなのではないか、と、ふと、そう思ったのだ。
わかりやすくいうと、ビートマニアとかの音ゲーのような…。
数字を色で感じたり、形に味を感じたりする
「共感覚」をもつ人が世の中にいるそうだ。
音を空間に触れるものとして感じるのか、
ハーモニーを体の動きで感じるのかはわからないが、
マイケルは共感覚に近いものを持っていたのではないだろうか。

最後に、私が不覚にもグッときてしまったところを発表!
それは、美少女ギタリスト、オリアンティにマイケルが
ギターソロを指導するシーンだった。
「ここが君の輝く時だよ。
 もっと音程の高いところを使って、長く鳴らして!」
しかしオリアンティはなかなかうまく出来ず。
マイケルが彼女を励ますために「僕が一緒にいるから」というのだが、
なんかこんなところで不覚にもグッときてしまったのだ。
なんでだろう?
マイケルのステージは、ただのステージじゃなくて、
人生をかける意味のある地球規模なものだと、感じたから?
ん〜わからない。
でもグッときた。
もっとこの世に"私たちと"一緒にいて欲しかったよー。

↓かわいいオリアンティちゃんの公式youtubeより。彼女も出てくる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

巨匠とマルガリータ/ブルガーコフ

Kyosyo

とても分厚いロシア文学の本。
帯にはこう書いてある。

ーローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」に
インスピレーションを与え、
20世紀最高のロシア語文学と評される究極の奇想小説。

がんばって最後まで読みましたよ。
ストーリーは、モスクワに出現した悪魔の一味が
街に不思議な事件を次々に起こす、というもの。
その件に巨匠とマルガリータの話が絡んでくる。
ある小説家(巨匠というあだ名で呼ばれている)が
人妻マルガリータと恋に落ちた。
小説家はキリスト教に関わる小説を書いていたのだが、
編集者にけなされ、自信を失い、原稿を燃やしてしまい、
精神病院にいれられる。
マルガリータは、巨匠を救うために悪魔の手先となる。
…という感じだと思う。
読みづらい小説であり、
突飛すぎて理解できない部分もあったりするので、
あらすじもままならないのだ。

この小説は1940年代に書かれたものだが、
評価されたのは、1960年代だという。
そのブームにのって、ミックの恋人、
マリアンヌ・フェイスフルがこの本を手にとったのだろう。
この本をマリアンヌにすすめられて読んだミックは、
インスピレーションを得て、歌にするのだ。

でも、私は確信した。
ミックはこの難解な小説を最後まで読んでいない。
全部読んだら、違うところにテーマを求めてしまった可能性がある。
結果的に、ミックは一番キャッチーなシーンをピックアップしたと思う。
混沌としたものからおいしいところだけを取り出す、
コピーライターのような才能があるのだろう。

小説の冒頭で、悪魔が自分を自己紹介するくだりがある。
自己紹介前に「お許しください」と下手に出てから
自己紹介をはじめるのだ。
悪魔を憐れむ歌の出だしはまさにそれだ。

Please allow me to introduce myself.
(自己紹介をすることをお許しください)

ここはとってくるとは!
凡人にできる選択ではないだろう。
そしてこの曲は、へりくだる悪魔の自己紹介を発展させ、
後半は

Tell me,baby,what's my name.
(私の名前は何だ?いってみろ)

が何度もでてくる。
自己紹介を自分ではじめておきながら、
肝心な自分の名前は、相手に言わせようとするのだ。
この小説に出てくる悪魔は、丁寧で貴族的な面もあり、
一方で相手を見下しあざ笑ういやらしい側面もある。
ミックは、上の2行の台詞だけで、
小説に出てくる悪魔を見事にシンボル化している。

「悪魔を憐れむ歌」はミックが悪魔の生まれ変わりだ、
という幻想を生んだきっかけになった曲だ。
この頃、ロックの世界には黒魔術が流行していた。
アレイスター・クロウリーという魔術師に傾倒した
映画監督、ケネス・アンガーが、魔術の話を
ロック・スター達に広めたのだ。
中でもレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジは、
一番はまっていたとされている。
でもアンガーが気に入っていたのはミックで、
彼を自分の映画の悪魔役にと執拗にアプローチしたのだ。
それにミックは恐れをなして、彼から遠ざかり、
悪魔熱も冷めちゃったんだとか。

ストーンズ周辺で一番黒魔術にはまっていたのは、
キースの恋人、アニタだろう。
アニタの箪笥には、儀式に使う気味の悪い動物の骨などが
たくさんはいっていたらしい。

結局、ストーンズにとって悪魔とは、
ミックにとっては流行でしかなく、今は悪魔の名残はなく。
一方で、アニタにすすめられてはまったキースは、
今でもドクロの指輪に名残を残している。
2人の性質の違いがこんな些細なところにも
見てとれるのがおもしろい。

↓ミックを主人公にしたかったが果たせなかった
幻の映画、ルシファー・ライジング
かわりにミックの弟、クリス・ジャガーが出演。
クリスの唇がミックと似ていることをざっと確認して(1:06〜がそう?)
4:02〜のかわいいマリアンヌだけみればもう十分。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Ziggy Stardust and the Spiders from Mars

Ziggy
David Bowie 73年のコンサート。

レンタルで借りて、ソファで油断して観ていたのだが、
コンサートも後半にさしかかったところで、
突然、画面の中のボウイがこういったので、
私は思わず立ち上がった。

This is for Mick.(これをミックに)

いやいや、ミックなんて名前、どこにでもあるだろう。
と、私は、はやる気持ちを押さえた。
そのあと、演奏がはじまったが、何の曲か全くわからない。
なーんだ。私の知ってるミックとは関係なさそうだ。
そもそもボウイの曲は、なんというか時々散漫で、独特で、
さっきから、馴染めないなぁ、と思いつつ観ていたのだ。

しかし、サビになってわかった。
Let's spend the night together.だ!
ストーンズのだ!
それなら"ミック"もあの"ミック"だ。

ボウイがやると、この曲はこうなるのか。
軽くて早い軽快なアレンジ。
このコンサートの流れで聞いても違和感がなく、
ボウイっぽいアレンジに仕上がっている。
元の曲とは似ても似つかないけど、嫌いじゃない。

このコンサートは、ボウイ史のテストでは、
必ずでるだろう重要なコンサートだ。

ボウイには、ジギー時代という黄金時代があり、
宇宙からやってきた架空のスーパースターZiggyに
なりきって音楽活動をしていた頃がある。
そのジギーが消える、解散コンサート、だったらしい。
しかし解散することを、ギターのミック・ロンソン以外の
メンバーは全く知らされておらず。
突然、ステージ上で解散発言をしたので、ラストの曲
「ロックンロールな自殺者」の演奏は、
エンジニアによると、メンバーの動揺のため、
音がガタガタだったらしい。
(この映画はあとで音だけ差し替えたりしているので、
 ガタガタな感じも修正されているのだろう。
 残念ながらわからなかった。)

ボウイとミックの関係は
ミック・ジャガーの真実
という本にかなり詳しく書いてある。
デビット・ボウイは、ミックの4つ下で、
ミックに憧れて、芸名も「デビット・ボウイ」にしたらしい。
「ジャガー」は古語でナイフを意味するそうだが、
「ボウイ」もナイフに関係した単語らしい。
(この説はあくまで、その本によれば、です)

ミックが73年春にボウイの楽屋を訪れたのをきっかけに、
ストーンズのコンサートにボウイを招待するなどして、
お互い好感をもち、すぐにつるむようになったらしい。
まぁ、あとは、ご存知の通り、恋人ではないかと噂がたち、
73年のオランダの報道陣からその手の質問をうけ、
こう答えている。

ミック:ただのいい友達さ。あいつはいい奴だよ。
報道陣:私は(恋人関係が)ありえることだと思っていますよ。
    彼はものすごくセクシーですよね。
ミック:あんたがデヴィットにグッときてるだけだろ。
報道陣:あなたはグッとこないんですか?
ミック:さあね。朝見たら(デビットがノーメイクなので)
    ガッカリするかもよ(笑)

ちょっとミック・ジャガー寄りにレビューしてみたが
この映画では、舞台裏の様子も時々はさんであるので、
曲に馴染みがなくても、架空のジギーに扮している時と、
そうでない時の対比がちょっとおもしろい。
撮影は、ボブ・ディランのドキュメンタリーで有名なペネベイカー。
ペネベイカーのコメンタリーはたっぷり聞ける。
(この人、コメンタリーでおしゃべりするのが好きらしい)

探せばあるもんですね。
ボウイのLet's Spend the Night Together(0:39〜)↓

| | コメント (0) | トラックバック (0)

キャデラック・レコード/音楽でアメリカを変えた人々の物語

Cadillacrecords_poster
現在公開中の映画。
チェス・レコード栄枯盛衰物語。
黒人ブルースマンやミュージシャンたちが、
人種差別が色濃く残るアメリカで、
どうやってのし上がっていったのか。
当時のミュージシャンの生活がなんとなーくわかる映画。

チェス・レコードといったら、
ストーンズにとっては特別なレコード会社だ。
マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、
チャック・ベリー、ボー・ディドリーなどが所属する。

どう特別かというと、まず、
ローリング・ストーンズという名前そのものが、
マディ・ウォーターズの曲からとったものだし、
チャック・ベリーは、キースが特に心酔した人物だし、
ストーンズがビックになって、
テレビ番組で好きなゲストを呼んでいいと言われ、
指名した人物がハウリン・ウルフだし。
しかしなんといってもストーンズのはじまりは、
ミックがマディ・ウォーターズとチャック・ベリーの
レコードを持っているのを見て、
キースが話しかけたのがきっかけだったんだから!

チェス・レコードの曲はストーンズによってカバーされ、
世間に再評価されている。
チェス・レコードはストーンズのルーツであり、
憧れの人がいっぱいつまった宝箱のようなものらしい。

64年の初のUSツアーの時、チェス・スタジオで
レコーディングをして、ミックやキースがえらく興奮した、
という話は有名だが、その時の様子だろうか。
映画の中で、若いストーンズ達がチェス・スタジオに
機材の搬入をしているのを、マディ・ウォーターズが手伝う、
というシーンがあった。
マディって音楽やるだけじゃなくて、
後輩にアドバイスしたり、会社の雑用をやったり、
意外と何でもやってたみたいだから、
搬入を手伝う、っていうのもありえない話ではなさそうだ。

芸能界には栄枯盛衰がつきもの。
売れてる時は羽目をはずしすぎ、
売れなくなるとみじめになってゆくのはよくある話。
みじめになった時にどうなるか、が見どころなのです。

(以下ネタばれ注意)
マディの場合、世間に忘れられ、野球中継を
ぼんやり見る日々を送っていたところ、
イギリスの若いミュージシャンからツアーに参加して欲しい、
と請われ、渡英することになる。
ヒースロー空港に降り立つと、
かつての栄光が蘇るような報道陣の数。
ここで映画は終わるのだが、おそらく
ストーンズに呼ばれたのではないだろうか。

素晴らしい音楽は、若いミュージシャンによって
新しい世代に紹介され、ずっと聞かれてゆくんだなぁ。
私の作った音楽もいつまでも残ってゆくといいなぁ。
なんてネ。

↓マディとストーンズ夢の共演

キャデラック・レコード/音楽でアメリカを変えた人々の物語
公式サイト

| | コメント (0) | トラックバック (0)

マイ・ドリームス/マリアンヌ・フェイスフル

Marianne_dreaming
Dreaming My Dreams/Marianne Faithfull

ミック・ジャガーを教育し、多大な影響を与えたと言われる
マリアンヌ・フェイスフルのドキュメンタリー。
2000年発売。

大好きなのです、マリアンヌのこと。
余談ですが、かわいいのにボインです。
大好きだけど、同時に、私にとっての
世界三大ガッカリのひとつも、マリアンヌ。
どうしてこんなドスの利いたダミ声になってしまったの!
人ってここまで変わっちゃうの?
昔は美しくて天使のような歌声を持っていたのに。
がっかり、がっかり、がっかりの三乗だ。

マリアンヌは修道院で育った。
美しい容姿に美しい声はまさに天使そのもの。
しかしこの天使は、悪魔と呼ばれた男のオンナになるのです。
ミック・ジャガー、ひとめ見ただけで妊娠すると言われた男!
これ以上に魅力的で想像をかきたてるカップルはあっただろうか!
まさに世紀のロマンスだ。

実は彼女、マゾッホの血をひく貴族の出で、
貴族の教養だけではなく、背徳的なDNAも受け継いだようである。
ストーンズの取り巻き連中の中で悪癖に染まり、
自殺未遂、ヘロイン中毒、果ては文無しのホームレス。
それには何か、血の呪いのようなものを感じる。
修道院育ちの美しい背徳者。
「彼女自身が芸術作品だ」という言葉が中に出てくるが、
まさにその通りだと思った。

As Tears Go Byでデビューした頃は、本当に愛らしかった。
この曲はミック&キースがほぼはじめて作曲したに等しい曲で、
のちにストーンズのレパートリーとなる。
64年にアイドル歌手としてデビューし、
66年にロック・スターの恋人になり、
67年に彼女のイメージは衝撃的な形で崩壊する。
キースの家のLSDパーティに、警察の捜査がはいり、
風呂あがりで裸だったマリアンヌは、様々な卑猥な憶測を呼んでしまう。
世間からは「天使」から一転して「娼婦」と呼ばれるように。
一層ドラッグに溺れ、それに辟易したミックとも破局する。

このDVDは、本人へのインタビューや(まだまだお美しい)
元夫へのインタビュー、キースとキースの元恋人アニタも少し出演し、
彼女を回想する。(あの美しかったアニタは変わり果てた姿で!)
それは酒と薬の依存症人生で、あの時はひどい時だった…
あの時も、あの時もと、何度もマリアンヌが言ったのが印象的だった。

ー暗い歌は私の得意分野なの(マリアンヌ・フェイスフル)

確かに、彼女が歌う暗い歌はリアリティが半端ない。
彼女は今もなお、歌手、女優として現役である。
だみ声も、この重い過去があってこそズシーンと響くのだ。
特にVagabond Waysという曲なんかは、なかなかズシーンだ。

ーVagabond Waysより
ドクター、ねぇ、ドクター
あたしってさ、酒飲みで薬やるし、セックス大好きなの。
あちこち放浪して、14で子供産んだわ。
これってまさにVagabond人生じゃない?
(かなりの意訳ですが)

マリアンヌの歌に共感し、住み込みで彼女の世話をしていた女性が、
最後に彼女の印象をこう語る。

「ひょうきんで痛々しくて子供っぽくてわがままで悲しい人。
 でも美しい人。マリアンヌの話はもう二度としたくない。」

これが一番、彼女を言い当てているような気がした。
依存症のマリアンヌ相手に相当苦労したんだろうな。

最近、マリアンヌが、自身の生涯を映画にする契約に
サインした、というニュースを読んだ。
実現したら、とても楽しみだ。

ドラッグ使用前のAs Tears Go By↓

使用後↓

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ラトルズ 4人もアイドル!

Rutles
THE RUTLES

偽ビートルズの偽ドキュメンタリー映画。
ビートルズのパロディ番組として、
TVで放送されていたものが映画化されたもの。
イギリスのお笑いグループ、
モンティ・パイソンの人が監督、出演している。

内容は、ビートルズに起こった出来事を、
おもしろおかしく、ラトルズで再現してゆくというもの。
モンティ・パイソン独特の空気で、細かいジョークとなると「?」だけど
知っていればあちこち笑えるところがある。
例えば、ポールが「いろんなドラッグをやってますがなにか?」的な
会見で問題になった例の件では、それがドラッグではなく
「お茶をいろいろやってます」になっていたり、
(ストーンズがお茶で捕まった、という新聞記事も出てくる)
ジョンとヨーコの例の平和を訴えるためのベッドイン記者会見は、
シャワーを浴びながらやるシャワーイン記者会見になっていたり…。

偽レノン役の人が劇中の音楽も作っているらしいが、
ビートルズの超有名曲をびみょ〜に変えているところがいい。
ボーカルのエフェクトまで同じにしてある懲りようで、
パロディとして作ったのでなければ、
普通にヒットチャートに登りそうなぐらい巧妙な出来。
ビートルズのPVを真似たラトルズのPVも、とても素晴らしい。

そしてこの映画には、なんと!
ミック・ジャガーが本人役で出演してるんですよねー。
「ラトルズがお揃いのコートを着てライブを観にきたよ。」
等々、ラトルズについてのインタビューを受けているという設定。
何かと「ではこの件について、ミック・ジャガーにも聞いてみましょう」と
何度もインタビュー映像にいく感じなので、ちょっとうれしい。

ただ、そこはパロディなので、ミックは若干、事実と違うことを言う。
例えば、ストーンズは昔、ジョン&ポールに曲をもらったことがある。
まだオリジナル曲を作ったことがなかったミック&キースは、
ジョン&ポールのチームワークに、痛く感銘をうけ、
その曲、"I wanna be your man"をありがたくいただき、
ストーンズのシングルとして売りだしたという事実がある。
でもこの映画ではこうなっている。
ラトルズに曲をもらったことがあるけど、
使い物にならなかったので俺たちの曲としては使わなかったよ。と。
ストーンズファンならここはちょっと笑えるかも。

またこの映画には、若かりし頃のロン・ウッドが、
ストーンズと因縁の深い暴走族、ヘルズエンジェルスの格好で出てくる。
そして驚きなのが、ミックの最初の妻、
ビアンカ・ジャガーが、偽ポールの花嫁役として登場する。
この映画の公開が78年で、ビアンカとミックが破局するのは79年なので、
この撮影の頃は仮面夫婦だった時期か?
などと考えるとちょっとおもしろい。

ロックンローラーの妻、と呼ばれるのを嫌がり、注目を浴びるのが大好きで、
ミックを泣かせることができる、唯一の女だったという話をよく読むが、
これに出てくるビアンカはまさに、さもありなん!といった様子。
シャンパンボトルのらっぱ飲みとかしてるんで、
ほんのちょっとしか出てこないのに、やけに豪傑な印象。

↓ビートルズのHELP!の替え歌OUCH!(いてっ!いてっ!と連呼する)

| | コメント (2)

より以前の記事一覧